- 2013年9月15日 18:42
- PC破壊日記
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IPv4アドレスの枯渇に伴い、少しづつ移行の始まっているIPv6アドレス。
しかしながら、日本では多くの場合、フレッツサービスの基幹であるNGN(Next Generation Network)と呼ばれるフレッツ網がある関係上、IPv6アドレスの利用に関しては、いろいろ難しい点があります。IPv6への一斉移行が日本だけ遅れているのもこれが原因と言われています。
とはいえ、せっかくフレッツ網内でIPv6アドレスが提供されている以上、これを有効活用できないものか。
そこで、フレッツ網内を利用した2点間通信を実現したいと考えました。
詳細は「続きを読む」から。
まず、なんでこんなことをするのか?その長所と短所は以下の通りです。
長所:
- フレッツ網内のみを利用して通信するので、インターネット側の混雑の影響を受けない。
- フレッツ契約の回線速度をフルに利用できる。
- プロバイダの通信量制限を受けない(フレッツ網の制限は現時点で聞いたことがないが、あっても遙かに上限が高いと思われる)
短所:
- フレッツ契約者同士でしかできない
- フレッツ IPv6オプションの契約が接続元、接続先の両方に必要
- IPv6アドレスを調べるのが面倒
- IPv6アドレスを固定できない(固定できる方法は不明、フレッツv6オプションの「ネームの登録機能」ならばこの問題を回避可能)
- インターネット上にあるサービスを利用時、IPv6からIPv4へのフォールバックの発生のため、少し通信開始が遅くなる
- IPv6用のファイアウォールが少ない(Linuxではip6tablesで接続制限可能だが、Windowsは・・・?)
まずは、フレッツ網におけるIPv6アドレスについて。
これについては、状況により、3種類のIPv6アドレスが配布されていることがわかりました。
以下はNTT西日本の情報です。東日本の情報についてはほかのサイト
-てくろぐ: 【試してみた】IPv6「ネイティブ接続」-などを参照ください
契約状態 | IPv6アドレス |
---|---|
初期状態 (フレッツv6オプション未契約) |
2001:a4xx:(以下略) |
フレッツv6オプション契約後 | 2001:a2xx:(以下略) |
OCN IPv6 PPPoE接続後 | 2400:4xxx:(以下略) |
*最初の状態(フレッツ v6オプション未契約)
- フレッツ網内にあるサーバー(フレッツ速度測定サイト、フレッツ サービス情報サイト【NTT東日本】、NGNサービス情報サイト【NTT西日本】など):接続可能
- フレッツ網内にある別のPC:相手先の状態に関わらず接続不可
- インターネット上のIPv6対応サイト:接続不可
*フレッツ v6オプション契約後
- フレッツ網内にあるサーバー(フレッツ速度測定サイト、フレッツ サービス情報サイト【NTT東日本】、NGNサービス情報サイト【NTT西日本】など):接続可能
- フレッツ網内にある別のPC:相手先がフレッツv6オプション契約済なら接続可能
- インターネット上のIPv6対応サイト:接続不可
*OCN IPv6 PPPoE接続時
- フレッツ網内にあるサーバー(フレッツ速度測定サイト、フレッツ サービス情報サイト【NTT東日本】、NGNサービス情報サイト【NTT西日本】など):接続可能(NGN網内のみの通信)
- フレッツ網内にある別のPC:相手先がフレッツv6オプション契約済なら接続可能(NGN網内のみの通信)
- インターネット上のIPv6対応サイト:接続可能(NGN網内を経由してインターネットに)
今回やろうとしていることは2番目の状態、つまり、フレッツv6オプションの契約を済ませた状態です。この場合、プロバイダがIPv6に対応しているかは関係ありません。
さて、始める前に、何個か注意点があります。
- フレッツ契約に、フレッツv6オプションの契約を行っているか?
申し込みしていない場合やわからない場合は、以下のサイトから申し込み・確認を行います。
【NTT東日本】https://flets.com/v6option/
【NTT西日本】https://flets-w.com/next/v6option/
サービス情報サイト等から契約する場合は工事費無料になります。月額使用料は通常無料です。
申し込み後、約1時間で利用可能になるようです。 - ルータ等はIPv6対応か?
「IPv6ブリッジ機能」に対応しているかが鍵となります。
最近のルータはほとんど対応していると思われますが、ルーターのメーカーのHPなどで確認しておいた方がいいでしょう。
NTT東日本が情報を提供しています。https://flets.com/next/list_router.html
NTT西日本でも利用できる情報でしょう。
ちなみに、IPv6 PPPoEに対応しているルータは現状(2013/9/15)NECアクセステクニカのAtermWG1800HP、AtermWG1400HPぐらいしか無いようです。今後増えるとは思いますが・・・。
ひかり電話契約などの場合は、そのひかり電話ルータが対応していればOKです。普通対応しているとは思いますが。 - 接続する先のPC(サーバー等)のサービスはIPv6接続に対応しているか?
意外な落とし穴がここです。とりあえずサーバーを再起動することをおすすめします。
その後、netstat -aで状態を確認します。
たとえば、HTTPサーバー(Apache)の場合はこうなります。
IPv4のみ:tcp 0 0 *:http *:* LISTEN
IPv6も有効:tcp6 0 0 [::]:http [::]:* LISTEN
SSHサーバー(OpenSSH)だとこうなります。
tcp 0 0 *:ssh *:* LISTEN
tcp6 0 0 [::]:ssh [::]:* LISTEN
上がIPv4用、下がIPv6用と分かれています。
もし、IPv4のみに制限したりしている場合は、それぞれ設定を変更してください。
長々と書きましたが、ここまでできたら、あとはやることは少ないです。
- 接続する先のIPv6アドレスを調べます。
何らかの方法で調べてください(笑)
フレッツv6オプションには、基本オプションとしてネーム登録できるので、それを利用したりとか。
もしくは、元々IPv4で外部からSSHで接続可能なら、接続してifconfig、ipconfigで調べるとか。
NTT西日本であれば、先ほどの[2001:]で始まるIPv6アドレスを探してください。
範囲(Scope)がグローバル(Global)のものが複数あると思います。どれも使えると思います。
ちなみに、ルータ配下のPC同士の場合、上記の「範囲:グローバル」のIPv6アドレスだと接続できないことがあります。
その場合は、リンクローカルIPアドレス(範囲:リンク)となっているIPv6アドレスを使用します(先頭が[fe80::])。 - IPv6アドレスを指定して接続します。
ブラウザ等では基本的に以下の形式になります。
https://[2001:a200:1111:2222:dead:beef:baab:acca]:80/
IPv6アドレスを大括弧[]でくくります。くくらないとIPv6アドレスと認識されません。
Teraterm等でも同様に大括弧[]でくくります。
ソフトによっては大括弧なしでも大丈夫かもしれませんが、最初は付けることをおすすめします。
これだけです。IPアドレスが異常に長いことを除けばIPv4と変わりません。
正直、ヤマダ電機で価格交渉するのが一番安く買えると思います(笑)
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